スマホのスペック/技術仕様で使われる用語まとめ

SmartPhone

スマートフォンのスペックや技術仕様として記載される用語と概要をまとめました。
新しい用語は順次追加していきます。

汎用的なスペック/技術仕様の用語

ディスプレイ関連の技術仕様用語

ディスプレイの項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

FHD

画面や映像を構成する画素数を表す規格のこと。
「Full High Definition」の略称。
解像度は「横1,920×縦1,080」ピクセル(207万3600画素)
「フルハイビジョン」とも呼ばれる。

FHD+

画面や映像を構成する画素数を表す規格のこと。
FHDよりピクセルが増えたものを指す。
解像度は様々で「横2,400×縦1,080」(Google Pixel 7a)などがある。

Gorilla Glass

アメリカの特殊ガラス材メーカーCorning社が開発した特殊ガラスのこと。
バージョンにより強度が異なる。

バージョン登場年前バージョンとの差
Gorilla Glass2007年
Gorilla Glass 22012年20%薄い / 強度は変わらず
ディスプレイの応答速度が上昇
Gorilla Glass 32013年耐傷性が3倍 / 傷がついた後の保持強度が50%向上
Gorilla Glass 42014年強度が2倍
1mの高さからの落下で80%程度は傷や割れがない
(アスファルトなどの荒れた地面)
Gorilla Glass 52016年強度が向上 / 耐傷性は変わらず
1.6mの高さからの落下で80%程度は傷や割れがない
(アスファルトなどの荒れた地面)
Gorilla Glass 62018年最大2倍の性能向上
1mの高さから落としたとき平均15回の落下でも破損しない
(アスファルトなどの荒れた地面)
Gorilla Glass Victus2020年耐擦傷性が2倍 / 耐落下性も2倍
2mの高さからの落下でも破損しない
Gorilla Glass Victus 22023年耐落下性が向上
最大2mからの落下でも破損しない
(コンクリート面で最大1m、アスファルト面で最大2m)


HDR(ディスプレイ)

表現可能な輝度の幅を広げることで、よりリアルな画像や映像を表現することができる表示技術のこと。
「High Dynamic Range」(ハイダイナミックレンジ)の略称。

カメラ機能としてのHDRとは意味合いが異なる。

関連項目
HDR(カメラ)

OELD

有機ELを用いたディスプレイのこと。
「Organic Electro Luminescence Diode」(有機発光ダイオード)の略称。
「有機EL(OLED)」と併記されることもある。

PPI

1インチあたりのピクセル数を示した画素密度のこと。
「Pixel Per Inch」の略称。
同じ画面サイズでも、ppiが大きければきめ細やかで鮮明な表現が可能となる。
小文字でppiと表現されることが多い。

QHD

画面や映像を構成する画素数を表す規格のこと。
「Quad High Definition」の略称。
解像度は「横2,560×縦1,440」ピクセル(368万6400画素)。
「Quad HD」とも表記される。

QHD+

画面や映像を構成する画素数を表す規格のこと。
QHDよりピクセルが増えたものを指す。
解像度は様々で「横3,088×縦1,440」(Galaxy S23 Ultra)などがある。

QXGA

画面や映像を構成する画素数を表す規格のこと。
「Quad eXtended Graphics Array」の略称。
解像度は「横2,048×縦1,536」ピクセル(314万5728画素)。
「Quad XGA」とも表記される。

QXGA+

画面や映像を構成する画素数を表す規格のこと。
QXGAよりピクセルが増えたものを指す。
解像度は様々で「横2,176×縦1,812」(Galaxy X Fold5)などがある。

アスペクト比

縦横の比率を表す画面比率のこと。
画面の規格がFHD(1920×1080)の場合は16:9となる。
アスペクト比が16:9のことを「ワイド」と呼び、テレビ番組やYoutubeなど多くの映像はこの比率で作られる。

コントラスト比

画面内のもっとも明るい部分(最高輝度)と、もっとも暗い部分(最小輝度)で輝度の差がどれくらいあるかを比率であらわした輝度比率のこと。
表記が「500:1」の場合、左側の「500」が最高輝度、右側の「1」が最小輝度を示す。
あくまで輝度の比率なので「最大輝度が500cd/m2で最小輝度が1cd/m2」と「最大輝度が250cd/m2で最小輝度が0.5cd/m2」は両方とも「500:1」のコントラスト比となる。

最近のスマホで見かける「1,000,000:1」は、もっとも暗い部分より、もっとも明るい部分が100万倍明るいことになる。

関連項目
輝度

輝度

画面の明るさのこと。
単位は「cd/m2」(カンデラ毎平方メートル)。
数値が大きいほど明るく、小さいほど暗い
「1cd/m2」でおおよそローソク1本の明るさ。
この明るさを「1nit」(ニト)という。(1nit=1cd/㎡=ローソク1本の明るさ)。

関連項目
ニト

ニト

画面の明るさのこと。
単位は「nit」(ニト)。
おおよそローソク1本の明るさである「1cd/m2」を「1nit」という。
1,000nitはローソク1,000本分の明るさ。すごい。

関連項目
輝度

リフレッシュレート

ディスプレイが1秒間に画面を書き換える回数のこと。
単位は「Hz(ヘルツ)」。
1秒間に60回書き換えた場合は「60Hz」となる。
この値が高いと映像がなめらかに見えるとされ、低い場合は画面がちらついて見えることがある。

バッテリー関連の技術仕様用語

バッテリーの項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

mAh

バッテリーの容量を示す単位で「放電容量」とも呼ばれる。
バッテリーを100%溜めた状態から0%になるまで1時間ですべて放出したときに流せる電力量を表す。
「Milli Ampere Hour」(ミリアンペアアワー)の略称。
値が大きいとそれだけ多く放出できる → それだけの電気量を蓄えられる。

QC

Qualcomm社が定めた充電規格
「Quick Charge」の略称。
2023年9月現在、5.0までの展開がある。
最大100Wの電力供給が可能。

関連項目
急速充電

Qi

ワイヤレス充電の規格
読み方は「チー」。
最大4 cmの距離でも効果的に充電できる。
ケーブルを用いた充電と比べると充電速度が遅い。
2023年後半には後継の「Qi2」(チーツー)が登場する噂がある。

関連項目
Qi2
ワイヤレス充電

Qi2

Apple社のMagSafeをベースに構築されたワイヤレス充電の規格
端末と充電器を磁力で引きつけることで充電に最適な位置を固定することができる。
読み方は「チーツー」。

関連項目
Qi
ワイヤレス充電

USB PD

USB-IF協会が定めた充電規格
「USB Power Delivery」の略称。
最大240Wまでの電力供給が可能。

関連項目
急速充電

急速充電

通常の充電に比べて供給電力を多くすることで充電時間を短縮すること。
スマートフォン側の他、充電器と電源ケーブルも急速充電に対応している必要がある。

関連項目
USB PD
QC

ワイヤレス充電

充電器とデバイスをケーブル接続せずにスマホ本体を充電すること。
規格として「Qi」(チー)がある。
「無線給電」、「非接触給電」とも呼ばれる。

関連項目
Qi
Qi2

急速ワイヤレス充電

通常のワイヤレス充電に比べて供給電力を多くすることで充電時間を短縮すること。

関連項目
急速充電

バッテリーシェア

スマートフォンがワイヤレス充電器となり他のスマートフォンなどを充電できる機能
ワイヤレス充電規格「Qi」に対応したデバイスであれば充電可能。

関連項目
Qi
ワイヤレス充電

防水/防塵関連の技術仕様用語

防水や防塵関連の項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

IPXX

2003年に国際電気標準会議(IEC)によって定められた、防水・防塵性能を表す規格
「International Protection」の略称。
IPの後ろ2桁はそれぞれ防塵と防水の等級を数字で表し、防塵は7等級、防水は9等級に分かれている。
防塵、防水いずれかの性能だけを表す場合は、もう一方を「X」として表示する。

防塵性能表
等級IPコード内容
0IP0X保護なし
1IP1X直径50mm以上の固形物が内部に侵入しない
2IP2X直径12.5mm以上の固形物が内部に侵入しない
3IP3X直径2.5mm以上の固形物が内部に侵入しない
4IP4X直径1.0mm以上の固形物が内部に侵入しない
5IP5X機器の動作に支障をきたするほどの粉塵が侵入しない
6IP6X粉塵の侵入を完全に防止する

・端末の経年劣化や傷などにより保護性能は落ちる可能性があるので注意

防水性能表
等級IPコード内容
0IPX0防水性能なし
1IPX1垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響がない
2IPX2垂直から15度以内の範囲から落ちてくる水滴によって有害な影響がない
3IPX3垂直から60度以内の範囲から落ちてくる水滴によって有害な影響がない
4IPX4いかなる方向からの飛沫であっても有害な影響がない
5IPX5いかなる方向からの噴流水であっても有害な影響がない
6IPX6いかなる方向からの強い噴流水であっても有害な影響がない
7IPX7一定の時間・水圧のもとで水没しても内部に浸水しない
8IPX8IPX7より厳しい条件のもとで水没しても内部に浸水しない

・IPX8でも海水や水蒸気、内部結露での保護性能を保証するものではない
・端末の経年劣化により保護性能は落ちる可能性があるので注意

メモリ/ストレージ関連の技術仕様用語

メモリやストレージ関連の項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

LPDDR

省電力に特化したメモリ規格のこと。
「Low-Power Double Data Rate」の略称。
続く数字は規格の世代を表しており数字が大きいほど新しい規格となる。

UFS

内蔵ストレージの規格のこと。
「Universal Flash Storage」の略称。
続く数字は規格の世代を表しており数字が大きいほど新しい規格となる。

カメラ関連の技術仕様用語

カメラ関連の項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

AF(位相差検出式)

自動的にピントを合わせる機能のこと。
「位相差検出式AF」、「位相差AF」とも呼ばれる。
レンズから取り込んだ光を2つに分け、ピントを合わせるための専用のセンサーが検出したそれぞれの位置関係からピントを合わせる手法。
最適な位置関係は決まっているため計算により高速にピントを合わせることができるが、イメージセンサーが捕らえている画像を基にピントを合わせるため暗い場所ではピントが合いづらい。

関連項目
AF(レーザー検出式)

AF(レーザー検出式)

自動的にピントを合わせる機能のこと。
「LDAF」、「レーザーAF」、「レーザー検出AF」とも呼ばれる。
撮影したい物体にレーザーを当て、その反射を検知して距離を測りピントを合わせる手法。
カメラのレンズ付近にレーザー光を発信するセンサーが配置されることが多い。
レーザーによる測定のため暗い場所でもピントを合わせることが出来る。

関連項目
AF(位相差検出式)

HDR(カメラ)

明暗差の大きな場所でも綺麗な画像や映像を撮ることができる機能のこと。
「High Dynamic Range」(ハイダイナミックレンジ)の略称。

露出レベルの異なる複数枚の写真を光の量が均一になるよう1枚に合成することで、暗い場所でも肉眼に近い自然な表現となる。
HDR機能での撮影は「鮮やかな色」や「動きのあるもの」には向かないとされる。
ディスプレイのHDRとは意味合いが異なる。

関連項目
HDR(ディスプレイ)

LDAF

自動的にピントを合わせる機能のこと。
「Laser Detection AutoFocus」の略称。
「レーザーAF」、「レーザー検出AF」とも呼ばれる。
AF(レーザー検出式)を参照。

関連項目
AF(レーザー検出式)

OIS

光学式手ブレ補正機能のこと。
「Optical Image Stabilization」の略称。

PD

光を検出することで光エネルギーを電気信号に変換する素子のこと。
「PhotoDiode」(フォトダイオード)の略称。
イメージセンサーの一部として使用される。

関連項目
イメージセンサー


Quad Bayer

カラーカメラに使用するイメージセンサーを構成するカラーフィルタの画素配列手法の1つ
読み方は「クアッドベイヤ(ー)」。
隣接4画素が同色カラーフィルターで構成される。
暗い場所での解像度劣化を防ぐとともにノイズを低減する。

関連項目
イメージセンサー

イメージセンサー

レンズから取り込んだ光を電気信号に変換する半導体センサーのこと。
光を取り込む集光レンズやカラーフィルタ、PDをあわせたもの。
サイズが大きいと、より多くの光を変換することができるため暗い場所でもしっかり撮影できる。

関連項目
Quad Bayer
PD

ピクセル幅

イメージセンサーを構成する画素の大きさのこと。
「ピクセルサイズ」「画素サイズ」とも呼ばれる。
大きいとより多くの光を取り込むことが出来る。

関連項目
イメージセンサー

絞り値

レンズから取り込む光の量を数値化したもの
「F値」(エフチ)とも呼ばれる。
スペックの表記は絞りを一番大きくした際の値。
値が小さいほど光を多く取り込むことが出来る。

画角

カメラに写る範囲を角度で表したもの
レンズが広角なほど広くなり、望遠なほど狭くなる。


動画関連の技術仕様用語

動画関連の項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

FPS

1秒間の動画に使われている静止画像(フレーム)の数
「Frames Per Second」の略称。
「フレームレート」、「コマ数」とも呼ばれる。
1秒間に60のフレームが使われている場合は「60fps」となる。
この値が高いと滑らかな動画になるがデータ容量が増えるデメリットもある。


デジタルズーム

映った画像の一部をソフトウェアで引き延ばして拡大表示する機能
レンズに依存しないズーム機能のため、光学ズームに比べ安価な機種にも搭載可能。
ズーム倍率を高くするほど画像が劣化する。
光学ズームと組み合わせて高倍率を可能。

関連項目
光学ズーム

光学ズーム

レンズとイメージセンサーの距離を変化させることで拡大表示する機能
画像を劣化させることなくズームすることが可能。
ズーム倍率が高いレンズは高額になる傾向がある。
デジタルズームと組み合わせて高倍率を可能。

関連項目
デジタルズーム

通信/接続端子のスペック/技術仕様の用語

通信/接続端子の項目で良く使われるスペック/技術仕様の用語と意味です。

GNSS

人工衛星を利用する「衛星測位システム」を使用し端末の位置を測定する機能
「Global Navigation Satellite System」の略称。
「衛星測位システム」、「(正しい使い方ではないが)GPS」とも呼ばれる。
GPSはGNSSの1つを指す。

正式名称運用国特記
GPSGlobal Positioning System[Satellite]アメリカ
GLONASSGlobal Navigation Satellite Systemロシア
GalileoGalileoEU
BeiDou北斗衛星導航系統
BeiDou Navigation Satellite System
中国
QZSS準天頂衛星システム
Quasi-Zenith Satellite System
日本特定地域向けの衛星測位システム
これに対応していると日本での位置情報精度があがる
NavICNavigation Indian Constellationインド特定地域向けの衛星測位システム


eSIM

SIMカードと同じ機能をデータとしてスマートフォンに内蔵したデジタルSIMのこと。
オンラインで契約が出来るなどメリットはあるが、利用可能なのはeSIM対応の端末のみ。
デュアルSIMの場合、片方は物理SIM、もう一方はeSIMといった使い方が出来る。

関連項目
物理SIM
デュアルSIM

USBポート

周辺機器を接続するための差込口
「Universal Serial Bus」(ユニバーサルシリアルバス)の略称。
規格はバージョンで管理されているが名称がたびたび変更となったためややこしく、規格として「USB 3.0」「USB 3.1 Gen 1」「USB 3.2 Gen 1」はすべて同じものを指す。
同様に2世代目の「USB 3.2 Gen 2」と「USB 3.1 Gen 2」も同じ規格を指す。
昨年、規格をとりまとめる「USB Implementers Forum」がガイドラインを策定し、今後は名称が統一される予定。

No規格転送速度今後の名称
1USB 3.0
USB 3.1 Gen 1
USB 3.2 Gen 1
5GbpsUSB 5Gbps
2USB 3.1 Gen 2
USB 3.2 Gen 2
10GbpsUSB 10Gbps
3USB 3.2 Gen2x220GbpsUSB 20Gbps
4USB4 Version 1.040GbpsUSB 40Gbps

デュアルSIM

1台のスマートフォンで2つのSIMカードを使用することで通信を切り替えて使える機能のこと。
それぞれで回線契約をすることで電話番号を2つもつことができるため、通信障害時などに回線を使い分けたりすることが出来る。
SIMカードには「物理SIM」と「eSIM」がある。

また、デュアルSIMには以下の方式がある。

有効なSIM通話中の通信特記
DSSS
(Dual Sim Single Standby)
いずれか不可回線は手動切替
DSDS
(Dual Sim Dual Standby)
両方不可4G LTEは1回線のみ
(もう片方は3G回線)
DSDV
(Dual Sim Dual VoLTE)
両方不可2回線ともに4G LTE利用可能
DSDA
(Dual Sim Dual Active)
両方可能

関連項目
物理SIM
eSIM

物理SIM

国際規格によって形状やサイズが定められたSIMカードのこと。
日本では以下の3種類が利用される。

サイズ特記
miniSIM縦25mm × 横15mm × 厚0.76mm
microSIM縦15mm × 横12mm × 厚0.76mm
nanoSIM縦12.3mm × 横8.8mm × 厚0.67mm現在の主流

関連項目
eSIM
デュアルSIM

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